第21回参議選の結果について 2    2007年8月5日

 前回の「参議選の結果について」では選挙の結果についての私なりの考えを書いたが、書いた時点以後、「参議選の結果について」という常任幹部会の文書が出たので、これを踏まえて再度考えてみたい。

今日の「しんぶん赤旗」(7月31日)を読んで驚いた。紙面には「参議選の結果について」が載っていたが、今回は今までとは面目を一新した内容であった。

参議院議員選挙の結果について(概要)

1、結果について
 比例区の議席は1減ったが、得票は維持できた。選挙区の議席は1減ったが、東京、大阪、京都などでは得票が増加した。

2、今回の選挙の意味は自公政権の個々の問題が否定されたのではなく、安倍政権そのも のが国民から拒否されたことである。

3、これは新しい政治の方向と中味を探求する新しい政治プロセスが始まったことを意味 するが、その中味は確定していない。わが党はその中味をよりよいものにするために 頑張りたい。

今回の『総括』は今までとは全く違って、選挙結果の持つ意味が書かれている。選挙の結果の持つ意味が書かれていることは当然であり、総括の本来のあり方が戻ったと言える。また、「安倍政権そのものが国民から拒否されたことである」「これは新しい政治の方向と中味を探求する新しい政治プロセスが始まったことを意味する」という内容も賛成できる。
 それはいいのだが、今までとは逆に共産党の戦いについての総括が全くかかれていないので、共産党の選挙総括とすると大変疑問のある内容であると言わざるを得ない。それは以下の点である。

前にも書いたように、今回の二つの選挙の政治方針は第二回中央委員会で

「第一に、わが党は、この選挙を、自民党政治の平和と暮らしを壊す悪政に正面から立ち向かう力をのばす選挙」

「第二に、わが党は、二つの選挙をつうじて、自民・民主の双方から持ち込まれてくる『二大政党づくり』の動きを本格的に押し返し、自民党政治を大本から変える力をのばすことをめざしてたたかいます」

とされていた。

第一の「自民党の悪政に正面から立ち向かう力をのばす選挙」という点では、共産党は大いに奮闘し、自民党は惨敗した。

第二の「『二大政党づくり』の動きを本格的に押し返し、自民党政治を大本から変える力をのばす」点では全く反対の結果となってしまった。

 今回の選挙の結果「二大政党づくりの動きを本格的に押し返し、自民党政治を大本から変える力をのばす」ことは出来なかった。それどころか、誰が見ても「二大政党の選択」の選挙になり、民主党が大躍進した。しかも、「自民党を大本から変える」共産党は議席を5から3にへらすという結果になった。2議席減は数字としては少ないけれど、率からすると40%減で自民党の議席減(42%減)に匹敵する。残念ながら善戦・健闘ではなく敗北である。(自民党ー42%、公明党−25%、共産党ー40%、社民党ー20%)

ところが、「参議選の結果について」にはこの点については何も書かれておらず、「新しい政治の方向と中味を探求する新しい政治プロセスが始まったことを意味する」と書いてある。「比例区の議席は1減ったが、得票は維持できた。選挙区の議席は1減ったが、東京、大阪、京都などでは得票が増加した」という書き方は、ニュアンスとすれば前進とも受け止められるが、これはどう考えたらいいのだろうか。

選挙前、選挙中あれほど「二大政党ではよくならない」「民主党が勝ってもよりましにはならない」「共産党が伸びる以外に自民党政治を大本から変えることは出来ない」と主張していたのが、選挙が終ったと同時に「新しい政治の方向と中味を探求する新しい政治プロセスが始まる」というのではまるで言う事が違うと思うのだ。

私はかねてから「小泉や安倍政権を打倒するためには出来る限り多くの人と手を組んで共闘するのが望ましい」と思っていた。憲法が危機を迎えているときだけに、少なくとも社民党との提携はすべきだし、民主党とも場合によっては(一人区)手を組むことを考えるべきだと思っていた。

総選挙の結果民主党が勝てば日本の方向は大きく変わるはずだ。大本は自民党と同じでも、政権が変われば日本の方向は大きく変わることは間違いない。その変わり方は共産党が議席を増やす比ではないだろうと思ってきた。

民主党の内部はさまざまな傾向の議員がいて、前原や西村のような右翼もいるし喜納昌吉のような平和活動家もいる。公式には公約があるが、いざと言うときには意思統一が難しい政党である。憲法9条を守ることを公約している議員もかなりいる。それを考えれば、民主党がどちら向くかは世論が決めるはずだ。

民主党が世論によって大きく変化することは岡田党首のとき自民党に大敗し、党首が前原に代わったことをみればよく分かる。やや左の岡田に代わってゴリゴリ右翼の前原が党首になった。今回は小沢一郎が党首になり「生活を守れ」というスローガンで勝利した。結構なことである。外交は音なしで不明であるが、「テロ対策特別措置法」延長に反対を唱えている限りでは賛成できる。参議院議長を民主党が獲得することによって、安倍晋三が行った強行採決が出来なくなることも大変な変化である。
 仮に上記の公約が実現されたただけでも日本の針路は大きく変わり、共産党が
5議席取っても10議席取っても実現不可能なことが実現される。

その意味では「新しい政治プロセスが始まった」のが今回の選挙であった。そして、そうなることを予想し、期待して多くの有権者は民主党に投票した。私が「反自民党」で手を組んでほしいと願っていたのもそういうことである。自民党を破れば「新しい何かが起こる可能性がある」と思った有権者の判断は当たったのだ。

私が「評価の内容については賛成である」と書いたのはそういう意味である。
  
                               
(20078月1日)


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