長野市近辺のうまいもの店    2008年4月12日

 私は戦後食べるものがなくてひもじい思いをした。その反動か、食べることに異常に執着するようになった。だから、うまいものが食べられそうだと聞くと、どこまでも食べに行く。また、うまいものを書いた本があるとすぐ買い求める。昔は吉田健一の随想をずいぶん読んだ。文芸春秋で五明館のオムレツなどのエッセイを読み、一度食べたいと思っていたが、当時は金がなくてとても食べられなかった。
 ある時期から本屋に「うまいもの店」を掲載した本が置かれるようになった。「長野のラーメン百店」「長野県のおいしい食堂」など何冊も買ったのだが、読んでみていつもがっかりさせられている。

 「うまい店」と書いているのに食べてみるとちっともうまくないのだ。中にはうまい店もあるのだろうが、大体はうまくない。何冊か買ってみてわかったのは、うまい店を掲載しているのではなくて「広告料をたくさん出している店」を掲載していることだった。当たり前と言えば当たり前だが、私としては面白くない。そこで、自分で食べてみて本当にうまいと思う店と料理をこのホームページに載せようと思うようになった

ケーキ
 ケーキは女性が好むものだが、我が家では反対で、私が大好きで女性達はあまり好きではない。特に娘たちは辛いものを好んでいる。私がケーキを買ってくると「またケーキなの!」と顰蹙を買うのだが、それにも懲りず、パリの娘のようにエクレールなどを買ってきてむしゃむしゃと食べている。

桜井甘精堂の「モンブラン」
 モンブランは栗のクリームを乗せたケーキで、値段はわりと高いが私が特に好きなケーキである。どこのケーキ屋にもあるので、あちこちから買っては食べ比べた。
 近くでわりとおいしいケーキを売っている「遊果里」のモンブランは甘味が強すぎるのが難である。御厨の「ラ・テール」はもっと甘くて予選落ちである。「りんごの木」も甘味が強い。「双葉堂」はこの中では一番おいしかった。丹波島の「しゅうくりいむ」もなかなかおいしかった。だが、私が一番おいしいと思うのは桜井甘精堂のモンブランである。やや、甘味が強いが香りがよくてとてもおいしい。台の味がいいのでうまみが生きている。だが、大きいのでご飯前に食べると胃がもたれる恐れがある。

しゅうくりいむの「シュークリーム」
 シュークリームはどこでも売っている。最近はほとんどの店に2種類か3種類のシュークリームを置いている。生クリームを入れたり、形を変えたり工夫しているが、私は味だけに関心がある。
 シュークリームはクリームの味とふたの味が勝負である。これでうまかったのは名前のとおり「しゅうくりいむ」のカスタードだ。おいしいけれどすぐに売り切れてしまうので買い損ねたことが何回もある。同じ店でも生クリームは売り切れて買えなかったことはない。クリームの味は悪くないのだがこちらはいつ行ってもあるのはどうしてだろう。でも私は両方好きだ。

ぷちろーるの「ロールケーキ」
 くるくると巻いてあるロールケーキは安くてどこにもあるが、馬鹿にしたものでもない。近くにできた「ぷちろーる」のケーキはなかなかいい味がする。名前のとおりのプチロールは小さくて値段も安いが、ロールケーキは長さが30センチ直径10センチほどあり、ボリュームがある。そのすべてを食べたわけではないが抹茶のケーキがよかった。直径も大きいので要注意。私は2センチほどの厚さにきったものを半円形にに切り食べている。

おいしかった遊菓里の「ティーケーキ」
 遊菓里の主人は昨年まで長野市会議員だったが、現在は引退して店に専念している。議員になるよりずっと以前になるが、この店のケーキがおいしかったので彼を招きケーキ作りの実演をしてもらったことがある。今から16〜7年前のことである。そのころこの店のケーキの味は有数だったのだが、それ以後たくさんのケーキ屋ができたため、ここは目立たなくなってしまった。味もいい店がたくさんできた。当時は「紅茶(ティー)ケーキ」が特においしかった。紅茶の香りが微かにしてとてもすきだった。
 懐かしくなり、最近買って食べてみたのだが、台のスポンジがかさかさしていていまいちだった。「双葉堂」「りんごの木」「ぷちろーる」など近在にケーキ屋が目白押しなので、その中で評価されるのは大変だと思う。遊菓里さんが更に腕を上げて長野市で一番の菓子を作ること
を期待している。

チェンバロの「こけももケーキ」
 
チェンバロは戸隠の入り口にある店である。丸太で作った山小屋風の建物だが、なかなかしゃれた店で催しなどもやっている。谷川俊太郎や岸田今日子が来ては詩の朗読会をやったり小林実の演奏会などをやっていた。(今もやっているのだろうか?) そこで出す「こけもものケーキ」がおいしい。
 少し前は長野市街や川中島西友にも店があったが、ご主人の体の具合が悪いとかで今は本店だけしかやっていないようだ。西友の店には何回か行ったが、ある時期から、なぜかこけもものケーキは置かなくなってしまった。この店のケーキはメレンゲもおいしい。
 この店のもうひとつの特徴は器がすばらしいことである。イギリスの磁器を使っている。描かれている模様が美しく上品である。残念なのは自慢?の紅茶があまりにも薄くておいしくないことだ。品質はいいものを使っているのだろうが、透明に近い色をしていて香りもほとんどしない。ダージリンやアールグレイのストレートは他の店より高い。我が家で飲むほうがはるかにうまい。

「銀扇寮」のうす茶アイスクリーム
 銀扇寮といっても若い人は知らないけれど、中央通の上のほうに「五明館」という高級旅館があって、その地下に銀扇寮という喫茶店があった。私が高校生のころそこには和服を着た女の人がいてコーヒーを入れていた。彼女が時々表に出ているのを見て私(達)は羨望のまなざしで見ていたような気がする。
 この喫茶店の名物がうす茶アイスクリームであった。それは五明館の表のショーウインドーに吉田健一の言葉でオムレツとうす茶アイスクリームのことが書いてあったからである。
 ここのアイスクリームを食べたのは大学に入ってからであるが、甘味が少なくておいしかった。だが、実を言うと、そのときは甘味が少なくて物足りなかったことを覚えている。何しろ、食べ盛りだったし、食糧難の時代で甘いものが食べられない時代だったから、薄茶アイスクリームは物足りなかったのだ。いまは旅館跡に建てられた食堂で食べられる。味は薄味でとても上品である。

食堂
食べると言えばなんといっても食堂(レストラン)である。ご飯、そば、中華などどれも大好きなので、おいしかった店とメニューを書いてみたい。

小杉の「そば」          
 
以前は戸隠の入り口にある蕎麦屋(大久保西の茶屋)に何回か通ったが、最近は行かなくなった。
 この頃、小杉と言う蕎麦屋に何回か行った。私はそば通ではないので細かなことはわからないが、この店のそばはなかなかうまい。種類は何種類もあるが、私が食べるのは一番安い北海道産の粉を使った天ぷらそばだ。お品書きを見ると長野市信更の農家と契約して栽培してもらっているようであるが、そのそばは値段がぐっと張るので食べたことはない。いつか食べてみたいとは思っている。
 この店の主人と話したが、気さくで気持ちのよい人だった。お父さんが長野東インター近くで店を出していると聞いたので一度食べに行ったが、味は同じだった。


 
みゆきの「そば」
 豊田村(中野市)にある「みゆき」という店のそばもおいしかった。飯山インターを降りて野尻湖に向かって旧街道を進んでいくと昔からの部落があり、その中にある一軒である。ここではそばと一緒に鱒の塩焼きも出している。特徴は頭から丸かじり出来るところである。2〜3軒ある家はみなそば屋だということだ。
そばの味はいいのだが、つゆの味がいまいちである。つゆは鰹節を削ってだしをとっている我が家のほうがいい。

 近くに「たなぼた亭」という蕎麦屋がある。味はなかなか良いうえに量がすごいということだ。「並」が普通の「大盛」以上なので「大盛」は食べきれないそうだ。まだ行ったことがないので、いつか行きたいと思っている。

 ラーメンはお店もたくさんあり、特色もある。

喜多方ラーメン 坂内(更埴店)
 喜多方らーめんはたくさんあるが、わたしは更埴の坂内の「喜多方ラーメン」が好きだ。いくつもの種類があるが一番安いこのラーメンの味がとてもいい。かなりしつこいのだがしつこさを感じさせないで食べられる。チャーシューが厚くて量も多い。たしか550円だったがこれはお徳である。

 栄楽の「味噌ラーメン」
 うちの近くに「栄楽」というラーメン屋がある。清潔とかしゃれたといったこととは無縁の店だが、味はなかなか良くていつも混んでいる。車がいっぱいで駐車に困難である。この店のラーメンはどれもうまいが、私は味噌ラーメンが一番うまいと思う。量も多い。うまいので、つい汁をたくさん飲みすぎてしまう。

 子どもがラーメンを好みよくラーメン屋を紹介するのだが、わたしはあまり信用していない。

 すぐ近くに「集彩軒」という店ができたときも娘は「とてもうまい」と言ったので何回か通ってみたがビーフン以外は大した味ではなかった。何よりもできるまでに時間がかかりすぎるのだ。客がいないときでも20分もかかるのではいく気にならない。中国人の夫婦がやっているのだからもっとうまいのかと期待したのだが、期待はずれだった。

 丹波島の「しゅうくりいむ」の隣にできた「るるぶ」というラーメン屋が行列ができる店だと聞いて、行ってみたが、わたしはそれほどだとは思えなかった。餃子に「クリスマス島の塩を振りかけて食べてください」と書いてあったのを見て。原爆実験をした島を思い出してあまり気持ちよくなかった。学生時代にイギリスが「クリスマス島」で大規模な原爆実験をしたのを良く覚えている。当時岡本千万太郎という先生が「クリスマス島原爆実験クリストはどこにいる」という俳句を作ったことも思い出した。
   
     

石川の「とんかつ]
気に入っているのは篠ノ井にある「石川」である。割と近くにあるのでちょいちょい行く。柔らかな肉だし細切りキャベツがたっぷりあるのもいい。とんかつ定食700円はお得だが私はロースかつ定食が好きだ。近辺ではここが一番だと思う。
 かつの味はいいのだが店が狭いので雰囲気はいまいちである。特にお昼時に行くと勤めの人がたくさんやってきて大変な混みようである。
 
店の主人が田中秀征と友達なのか秀征ずくめである。一番上等のかつは「秀征かつ」だったような気がするしうどんも「秀征うどん」が最高だったと思う。
 
そばは長野の名物なので最初に書いたが、私はそばよりはとんかつのほうが好きだ。全然種類が違うので比べることはできないが、私はごってりとしたものが好きで、妻はあっさりとしたものが好きなようだ。
 最近とんかつの人気が高まっているがとてもいいことだ。うまい店が増えてくれるように祈っている。とんかつの店はたくさんある。

 
今里の「とん治」
 農免道路沿いにとんかつ屋が出来たと聞いたとき「通勤の車しか走らないところにとんかつ屋を作ってやっていけるだろうかと思った。しばらくして「なかなかおいしい店だそうだ」という評判が耳に入った。一度食べたいと思いながら何年か経ってしまったが、店はやっているようだった。交通の便が良くないのに店がつづいているのは味が評価されているのだろうと思い行ってみた。
 かつの味はまあまあで「中の上」と言うところだろうか。かつについてくる刻みキャベツば太すぎることや味噌汁の味がいまいちだったが、食堂の雰囲気は抜群だった。周りの庭は緑に覆われておりとても美しい。その庭が良く見えるように足元まである大きなガラス扉の近くの座席に坐ると、小鳥の声も聞こえて心が休まった。雰囲気が気に入ったので、仲間をつれて行ったが、好評だった。

 少し前「かつや」というチェーン店が近くにできたので入ってみたが二度と行くつもりはない。

 以前上田に「くろカツ」という店があった。大きなカツでお皿からはみ出していた。もう40年も前のことだから今はどうなっているかわからないが、当時はすごく感激した覚えがある。


「ドンキホーテ」のハンバーグ
 ドンキホーテのハンバーグは俵ハンバーグといって円筒状をしたハンバーグである。牛肉でできていて焼き方は注文で決まる。私はレアで食べている。和風のたれをつけて食べるのが一番好きだ。
 以前はハンバーグといえば子どもの食べ物だと馬鹿にしていたが、ここのハンバーグを食べてからはすっかりハンバーグ党になってしまった。あるいは私の歯が悪くなったのとも関係あるかもしれないが?
 ローヤルホストやりんごの木などファミレスのハンバーグもたまには食べるが、これはやはり「子どもの食べ物だと思う。

べんがるのカレー
 上田に「べんがる」というカレーの店がある。上田原・平林堂書店の近くにあるが、立派な建物と庭があり、風格のある食堂である。「ここのカレーはおいしいよ」と誰かが紹介してくれたのだが、誰だか忘れてしまった。メニューを見るとカレーだけではなく、洋食全般のレストランで、ステーキなどもかなりの種類あった。私は教えられたとおりにカレーを注文した。様々な種類のカレーがあったが良く知っているビーフカレーを食べた。ずいぶん昔のことだから、おいしかったと言うことは覚えているが、味を思い出すことができない。近いうちにもう一度食べに行ってみるつもりだ。

 うちから歩いて5分のところにインド人が経営していたカレー屋さんがあった。ランチが800円でナンのお代わりができたのでよく食べに行った。味は大変良かった。インドのカレーは日本のカレーとは味が違っていたがおいしかった。特にナンの味がすばらしくて忘れられない。残念なことに昨年店を移転してしまい、どこかに行ってしまった。おいしい店がなくなるのはさびしいことである。
 数年前まではR18に山小屋というカレーの専門店があった。今は須坂インターの近くに姉妹店があるが、私が食べた店はなくなってしまった。ここのカレーもまずまずだった。

「ベルジェ駒沢」のフランス料理
 
フランス料理は値段が張るのでほとんど食べたことがないが、私はとても好きなのだ。この頃はダイエットだとか中性脂肪がどうだとか言う人が多く、フランス料理など食べる機会はほとんどないが、私が知っている西洋料理で一番おいしいのはベルジェ駒沢のフランス料理である。小さな店で、中も決して豪華ではないが、味は豪華である。以前は駅の近くにあったが、2〜3年前市役所の近くに移転した。シェフと奥さんがすばらしい人で食材と味にこだわっているのがよくわかる。
 店が駅前にあったとき、たまたま平幹二郎が食べに来ていたのに出くわしたことがある。時々見えると言うことで、知る人は知っているなあと思った。
 こんなことを書くと、私がフランス料理を時々食べているようだが、食べるのは一年に1回か2回しかないので私の独断と偏見の記事だと思っていただきたい。


 私が子どものころはピザという食べ物はこの辺にはなかった。小諸に住んでいたころ初めてピザを食べたのだが、それほどうまいとは思わなかった。なんだか「うす焼き」を食べているような気がした。そのころSBCに勤めていた叔父が「ソワーレのピザはうまい」と盛んに言っていたので小諸から帰る途中国道18号線の大屋にあった「ソワーレ」によって食べたことを覚えている。だが、そのときもそれほどうまいとは思わなかった。
 ピザがおいしいのを知ったのは森獏郎さんが屋代にある石焼ピザの店を教えてくれたからだ。店の名前は忘れたが、駅の近くの北国街道沿いにある店で、粉を伸ばしてかまどで焼いていた。ピザがうまいと思ったのはその時からである。それから何回かその店に行ったが、近くにおいしい店ができたので最近は行かなくなってしまった。

「ドルチェ」のイタリア料理(ピザとパスタ)
 二年ほど前、西友のすぐ近くに「ドルチェ」というイタリア料理店ができた。チェーン店らしいのだがよくわからない。この店のピザとパスタは品数も多く味付けもすばらしい。だから、お客が来るとここに案内することにしているが、大体は満足してもらっている。値段は安いとはいえないが、それほど高くもない。特に、ランチタイムはお得だった。それはおいしいサラダを自由に持ってこれたからである。ツナやポテトなどがあるサラダはお得だった。

 近くにあった元庄屋(もとじや)がつぶれた跡地に「洋麺亭」というイタリア料理中心のファミリーレストランができたがうまい店と言うほどではない。ただし、出来るまでが大変早いので急ぎのときはいいだろう。

つづく
 


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