母の変化 5     2008年8月27日

 母は昨年9月6日から介護施設「コスモス犀南」に入所している。毎日が同じことの繰り返しであるが、室内は温度調節がしてあり、食事もそれなりのものが出るので、預けるほうとしては安心していられる。体調もまあまあで病気やけがもなく、ありがたい。私たちは施設に行き、洗濯物の取替えなどの用足しをして、ちょっと顔を合わせてくる毎日が続いている。幸い、施設は近くにあるので車で15分足らずでいける。

 今年のお盆には家につれてこようと準備をし始めたが、うちにはエアコンがないことに気がついた。外は連日30度を越しており時には35度にもなっている。うちの中は外よりはましであるが、それでも30度はくだらない。おばあちゃんをつれてきても30度以上の場所では体調が持たないのではないか、と言う思いがあり、今年のお盆は家に来てもらうのをやめにした。

 母の部屋を整理していたら女学校と専攻科時代に作った縫い物が出てきた。日記や家計簿などはすべて燃してしまったのにわずか残された私物の中にあったこの縫い物見本をみて感慨無量になった。これが何かの役に立つとは思えないが、大切にしていたものならば、見れば何か思い出すかもしれないと思い男物の和服のミニチュアを持って施設に行って広げて見せた。「おばあちゃん、これなんだか判る?」と聞くと「うん」とうなずく。「おばあちゃんが専攻科のときつくった着物だよ」というと「本科でつくったの」と答えるではないか。昨日のことは総て忘れてしまうのに、女学校のときの作品については今も鮮明に覚えていることが判り、持ってきた50センチほどのミニチュア着物を壁に画鋲で止めて帰ってきた。


 母の体調はいいらしく、皮膚の色艶はつやつやとしている。しかし、最近は食が細くなり以前の半分しか食べないそうだ。そのせいか、手首が細くなった。私が手首をつかむと指が届くのだから、限りなくやせてしまった。最近は、その手首から親指にかけて紫色に変色する部分がでてきた。びっくりして「どこかに打ち付けたの?痛くない?」と聞いてみたが「ううん」と首を振り「痛くない」という。原因はよくわからないが本人は平気のようなので、詳しく聞いてもいない。



 気になるのは食事の量が激減していることである。もしかしたら、体が弱ってきているのかもしれない。徐々に衰弱してそのまま死に至るのか、病気になって病院へいくのか、本人にとって安らかなほうがいい。


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