2009年元旦     2009年1月1日

 明けましておめでとうございます。
 昨年は激動の1年でした。
 アメリカの一極支配の構図が破綻し、世界は多極化し始めました。イラク侵略戦争は失敗し、アメリカ主導の金融支配も音を立てて崩れ落ちました。経済不況は私達を直撃していますが、その先に今までとは違った世界が現れるのは間違いないでしょう。

 昨年の元旦に今の日本と世界を予想をした人がどれだけいたでしょうか。私は全く予想できませんでした。小林多喜二の蟹工船のことは伊豆利彦さんのホームページで以前何回か紹介されていましたが、それは古い時代の過去を懐かしむ記事に過ぎないと思っていました。ところが、ある時点から「蟹工船」はあっという間に若者達に読まれるようになり、年末には流行語ベストテンに入る事態になってしまいました。

 アメリカの金融危機についてはある程度予想していました。双子の赤字(財政赤字、貿易赤字)の上にイラク戦争の膨大な戦費が重なりアメリカの経済は瀕死の状態であることは知っていましたし、住宅問題(サブプライムローン)が大変な問題になりそうだということも知っていました。しかし、住宅に端を発した経済危機がアメリカ中を覆うことは予想できませんでしたし、ましてやEUが同様の危機に見舞われるとは思っていませんでした。

 私はアメリカの金融危機により、アジアやロシアなどの勢いが増すとさえ考えていたのですから、的外れもいいところです。

 予想は当たりませんでしたが、アメリカがこの問題で世界に対する影響力を低下させたことは間違いありません。そのことは、大きな目で見ると、いいことだったと思います。
 今までのアメリカはあまりにも自分勝手過ぎました。

 「イラクが核開発をしているから」といって攻撃して国をめちゃくちゃにしました。しかし、実際には核爆弾は開発も製造もしていませんでした。イスラエルは数百発の核兵器を持っていても非難するどころか盛んに応援しています。インドが核実験をしても結局はそれを認めて二国間条約を締結しました。イランは核開発をしていると言うことで攻撃されそうになりました。

 一方では「民主主義が守られていない」といって他国を非難したり攻撃しながら、他方では正式な手続きで選ばれた政府をクーデターで倒した南米のチリをすぐに承認しました。と言うよりは、自分が金を出して、軍事政権を作らせました。

 ヴェトナムではトンキン湾で自らの謀略で攻撃を仕掛け、「北ヴェトナムから攻撃を受けた」と嘘をついて北ヴェトナム攻撃を始めました。そのための犠牲者の数は計り知れません。

 アメリカの侵略によって死んだ人はどのくらいいるでしょうか。アメリカの横暴はまともに新聞を読んだりニュースを聞いている人なら誰でも気づいていることですが、どこの国の指導者もアメリカを「侵略国家だ」とは呼びませんでした。それはただ、アメリカがどこよりも強かったからです。

 そのアメリカが今回の問題で大被害をこうむり、国家の総力をあげて破綻に瀕している企業を支援しています。国を挙げて支援するということは、国家予算を支援に当てるのですから、予算は不足し、ゆとりがなくなることは当然です。アメリカの力は目に見えて弱くなりつつあります。

 これは世界の力関係が変わるのですから大変なことで、恐らくソ連崩壊と並び、世紀の大事件だと思うのです。そして、私は今年起きた力関係の変化を歓迎します。いろいろ混乱も起きると思いますが、その中から新しい世界秩序が生まれるのではないでしょうか。その秩序は、中国を始めとしたアジア諸国や南米の国々が大きく係ってくるでしょう。

 残念なのは、その中に、わが日本は入ることがなさそうなことです。少なくとも今の自民党政治が続いている限り、日本はアメリカ追随以外の選択はありえません。
 新しい年のはじめにあたって、私は、新しい世界秩序を築く方向で、微力をつくしたいと思います。


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