東洋町の試み    2010年2月10日

 四国旅行の目的の一つは東洋町の見学だった。
 東洋町といっても多くの人は分からないと思うが、数年前「原子力発電の最終廃棄物処理場の候補地として立候補した町」といえば思いだす方も多いと思う。当時の町長が原子力廃棄物の最終処理場の候補地になることを表明したため、国は大喜びして莫大な補助をすることを約束した。だが、町民はこれに大反対をし、町長選挙が行われ、誘致反対派の澤山保太郎氏が大差で当選した。澤山町長はただちに誘致計画を白紙撤回し、この計画はなくなった。
 当時、このことは新聞やテレビで大きくとりあげられ大ニュースになったから、多くの人の記憶に残っているが、その後の町の取り組みについては知らない人が多いと思う。

 私は、当時このニュースを知り、心から拍手を送った。そして、この町がその後「どうなるのか」を追ってみようと思い、インターネットを通じて調べてみたところ、澤山町長のブログ「ヤスタロウの東洋町長日誌」を見つけることが出来た。それ以来ほとんど欠かさず「日誌」を読んでいるが、日がたつにつれて私の関心は原子力廃棄物から、町長の町政のあり方に向うようになってきた。

 町長の経歴や取り組みについてはここでは省略するが、今年度(2009)当初役場職員と東洋町民に向けた「2年間の総括をふまえ」を見ると澤山町長がどのような姿勢で町政に取り組み、どのような実績を上げてきたかが分かる。


2年間の総括をふまえ

News & Lettrs/171

職員・町民は現町政の事業をしっかり把握し全国に誇れる地域社会の建設に邁進しよう 

平成21年4月29日
職員各位
町民各位  
                           東洋町長  澤山保太郎

 平成19年4月23日より新町政が開始された。
 それ以降2年間、激動の改革行政が執行された。

 一挙に多くの事業が振興したので職員や町民の多くは、とまどいたり、驚いたり、中には悲鳴を上げ、強く反発する者まで出てきた。しかし、休むことなく新町政は前進し、更に前進を続けた。
緒戦を突破し、今や本戦に突入している。胸つき坂にさしかかったというべきで今が辛抱のしどころである。

 新町政の戦略的課題は、

1・山なす借財を減縮し解消する

 平成19年、20年度の2ヵ年で6億円余減らした。累積した48億円の借金を、まず10億円減らし、30億円台にせねばならない。 借金のための数億円の金利支払いは全くの無駄で死に金である。事業は極力自力でやるか、国や県の金を導入して遂行する。
 21年度末には借金残高38億円台にまで減縮の予定で、3年間で10億円縮小を達成するぞ。

2・福祉事業を回復せよ。

 老人の福祉施設もなく、福祉事業も以前の議会で「全廃」された状況では、県外へ莫大な支払いと見捨てられる老残の境涯だけが町に残るだけだ。 町負担数億円県外支出、高額の個人負担、高騰する介護保険料、惨憺たる有様だ。新町政は介護保険を余り使わない福祉事業を開始した。

@超低額有料老人ホームの建設も開始すべく予算を計上した。

A高齢者の医療費無料、

B肺炎ワクチン無料、

C居宅介護者への助成金月3万円支給

D訪問介護を町運営(社協委託)

E福祉バス無料、

Fデイサービス開始、デイサービス個人負担実質半額減免等次々と新しい福祉事業を遂行中である。

G保育園児への助成も当初通園児には1人月3000円の支援を開始し

H今更に月に1人5sの米の支給を始めた。

I低料金のヘルパー資格取得講習会も2回目が始まっている。結婚相談員制度も発足した。

3・教育環境を整備せよ

@小中学校の耐震診断は一部を除きほとんど完了しようとしている。
 このまま小中4校を耐震補強整備をするか、それとも統合・併設するか町民の意志に従
って早急に整備を完了したい。野根中の生徒は現在10名しかいない。

A野根公民館を整備し、甲浦公民館の整備費も予算計上した。

B図書館の整備もはじめ、

C町史編纂事業も開始した。

D教育費の保護者負担も大幅に減らし、校長先生には、保護者に請求する前に町に請求するように指示をした。小中新1年生への入学したく金の助成も始めた。

E甲浦中学校の給食も5月連休明けからまもなく開始だ。

F小中児童生徒1人につき野根米10sをこの4月から配給を開始した。

G高校生も東洋町に住民票のある者なら全員毎月1人1人に米10sを支給する。

H幼児から中学校3年生卒業までの子供は全員医療費を無料にした。
これらの支給は全て町内流通の商品券で行う。

4・産業復興政策も多面的に開始している。

@「海の駅」はその象徴だ。地元の商売人が多数参加して支えている。
年間1億円の売り上げ達成は十分可能であり、それどころか数年後には2億円以上の売り上げを目指す。

A町直営のリボルト社は30数名の社員を雇用して施設管理、「海の駅」運営等多方面の事業を展開している。

B今年度開始の失業対策もいくつもの事業計画を立て、数十名を募集中である。
この失業対策で森林の間伐材事業、農地耕作事業、資源ゴミ活用事業、密漁対策事業などが本年5月から開始されようとしている。

C釘一本も買えない町内に、いよいよホームセンター設営の予算も計上された。

D荒れた農地の開墾助成事業は2年目に入り、

E鹿などの有害鳥獣防護柵助成事業、

F生活・営業資金の無利子貸付金事業

G自動車免許取得費用助成金制度等が新たに始まった。

H商店街活性化のため、町の補助金や給付金の多くを商品券で支払うシステムに切り替えた。

I風呂のない観光地の汚名を返上し温浴施設(実質無料)もまもなく国の交付金で建設が始まる。

Jインターネット整備事業、地デジ対策事業も万全の体制で取り組んでいる。等々。

5・人は石垣、人は城。町職員もむしろ増強中である

 地域復興のための人材を集め、どんどん事業を発展させなければならない。
 東洋町の行政改革には、職員定数削減の文字はない。全職員の5%賃金カットも廃止した。臨時職員も1万円給料をアップした。町長が作成した公正な採用試験が行われ、また、秋霜の厳しい綱紀粛正が繰り返し行われ法令遵守が徹底された。

 庁議は毎週行われ、全て公開されている。公共工事の指名業者選定審査会も公開だ。 
 工事の落札率は70パーセント台である。施設備品類の購入にはリサイクル業者も入れて価格破壊が進展している。事業については住民説明会などで十分に説明されている。

 借金を減らし、基金を積み、福祉や教育を充実して、そして産業を盛んにし人材を養成する、これが東洋町の戦略であり、着々と実行している。利権行政はすでに一掃された。新町政2年をすぎる今、以上の画期的な事業をよく承知していただきたい。

  
 今度の旅行で澤山町長と会ってきた。
 1時間ほど懇談し、町役場の職員の方の案内で 学校、日本初の人権宣言がなされたといわれている寺院、町が設立したリボルト社が買い取ったホテル、確かな実績を上げている海の家などを見学した。
 私が町長の日誌をすべて読んでいるので話は早く、町長の話もすべてわかり、「海の家でお土産をかうつもりだ」とか「野根中学校の様子が見たい」とかいう話をしたら、町の自動車を出してくれることになった。「町長が力を入れている白浜ビーチホテルに泊りたかったが、休業中だ」といわれて宿泊予約できなかった」と発言すると「そんなはずはない。白浜ビーチホテルは今日も営業している。あのホテルのメニューは私が作っており、食材も私が仕入れているんだ」などと話してくれた。

  http://hito-art.jp/ にホームページが移動しましたのでお気に入りに再登録をお願いします

BACK NEXT 通信一覧