韓国哨戒艦「天安」沈没事件 
  2010年6月2日

 韓国の哨戒艦「天安」が3月沈没した。これをめぐり様々な意見が飛び交っている。
新聞やテレビでは5月15日に米英韓豪スエーデンの軍事合同調査団の発表を受けて「北朝鮮による魚雷攻撃によって沈没した」という報道がされ、異論は皆無であるが、当の韓国をはじめネット上ではいくつかの説が交わされており、北朝鮮の攻撃だと断定することは困難だと思う。

 私がこの問題に強い関心を持ったのは、中国への侵略戦争、アメリカのトンキン湾事件、イラク攻撃など多くの戦争や紛争が、一方的なでっち上げ事件から発生しているからである。

 柳条湖において日本の軍隊は自らの手で事件をでっちあげて、それを中国の仕業だとして軍をすすめた。トンキン湾で北ベトナムに攻撃されたとして、北爆が開始されたが、北ベトナムの攻撃はなかったと後になってから判明した。イラクに核兵器があるとして、アメリカはイラク侵略を始めたが、イラクに核兵器はなかった。共通しているのは、いずれの事件も強者が弱者を攻撃するとき自らがうその事件をでっちあげて世論を誘導し、侵略を正当化していることである。
 そのような事実があるので、この事件について私は大きな関心を持っている。

 最初にこの事件の概要を見てみよう。

 この事件は韓国の哨戒艦「天安」が3月に北朝鮮沖にある韓国領の島近くで沈没し乗組員が死んだ事件である。この事件の真相を究明すべく米英豪スエーデン韓国の軍事合同調査団がつくられ、調査し、5月15日に結果が公表された。

 公表された大要は以下のようなものである。
1、「天安」は北朝鮮の潜水艇から発射された魚雷の爆発によって船体が二つに折れて沈没した。
2、魚雷は「天安」の真下で爆発し、その衝撃と発生した泡のため、船体が二つに折れた。。
3、魚雷は直後には発見されなかったが、後日漁船によって発見された。
4、魚雷はその形・大きさ・構造が北朝鮮製のものとほぼ同じ事はカタログや設計図などにより証明できる。
5、また、魚雷に書かれている手書きの文字は北朝鮮で使われている文字であるので、北朝鮮製であることは明らかである。

 これに対して多くの疑問も出されている。
1、「天安」自身が事件直後を写したビデオが3時間10分あるが、これが公開されていない  。一部公開されたが、調査団の報告と一致する部分のみである。

2、報告によると、船体は魚雷の爆発直後、瞬時に船体が折れたとあるが、ビデオでは船体が直後におれたとは認識できない。

3、調査団は米・英・豪・スエーデンで構成されているが、中国やロシアなどは入っていない。
4、普通、重要任務を帯びた調査団が結成されるときは、構成する団員の名前が公表されるが、構成員の名前がない。また、調査報告書にも署名がない。

5、沈没直後韓国のテレビはこの海域近くでアメリカの潜水艦が沈没した事実を報道した。報道によると、アメリカの原潜から遺体を引き揚げるため、韓国が潜水作業をし、そのうちの1名は潜水病のため死亡した。だが、この報道は偽物だとしてその後報道されなくなった。

6、韓国の民間から合同調査の一員として参加したシン氏は調査団とは違う見解を発表したが、彼は調査団から外され、偽の情報を発信したとして捕まるかもしれない。

7、彼の見解は「沈没の原因は座礁だ」としている。証拠として「魚雷によるとしたらあるはずの魚雷の破片がどこにもなかった」「犠牲者の遺体が破損していなかった」「船体には座礁の跡がたくさんあった」などを挙げている。

 北朝鮮は「自分たちはやっていない」と反発し「調査隊に北朝鮮の人間も入れるように」主張しているが、これは拒否されている。
 中国とロシアは独自の調査を始めているようである。はたして彼らはどのような見解を出すであろうか。

 日本ではこれらの情報はほとんど報じられていないところが問題である。


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