民主党党首選挙     2010年9月1日

 民主党の党首選挙が始まった。
 候補者は現首相の菅直人と元幹事長の小沢一郎である。鳩山由紀夫が調整して一本にまとめようとしたが、うまくいかず、選挙になった。
 二人の争いを私は面白く見ている。というより、大きな関心を以て見ている。なぜなら、この争いは私たち国民にとってもかなり重要な政策の争いであるように思うからだ。

1、菅直人の政策は、基本的には自民党・小泉内閣と同じである。
@ 政府の役割は出来るだけ小さくする。(国会議員の定数削減、公務員削減)
A 財政赤字を減らし、健全財政をめざす。(消費税増税、圧縮予算)
B 官僚とは折り合いをつけて仕事を進める。
C 普天間基地は辺野古に新設・移転する。(対米従属)

2、小沢一郎の政策は総選挙での民主党公約の実現である。
@ 政府の役割を大きくする。(子供・農家補償などの手当支給を続ける)
A 消費税は現状のままにし、予算の組み替えで財源を確保する。
B 官僚主導から政治主導の政治に変える。(官僚の答弁禁止や天下り全面禁止など)
C 普天間基地は沖縄・アメリカと再度話し合いを持ち決定する。(対米自立を志向)

 菅直人の政策は自民党が長年行ってきた政策と基本的に同じである。小沢一郎の政策は鳩山が当初やろうとして失敗した政策とほぼ同じである。

 私は小沢一郎の政策を支持するが、彼の政策の弱点は財源だ。というのは、既に明らかなように、鳩山内閣は民主党のマニフェストを次々に弱めてきた。その理由は財源がなかったからである。選挙中は「無駄を省く」といってきたが、それだけでは財源が確保できなかったから、仕方なく公約を薄めてきた。
 小沢一郎はそのマニフェストを再び持ち出した。財源確保については「予算の組み替え」といっている。収入額が決まっているのに「組み替え」をすることによって新しい金額が生まれることはないはずだ。だとするとマニフェストに掲げた金額をねん出するためにはどこかを大幅に削る必要がある。何を削るのか、私はその内容について疑問を持っている。
 もし小沢が本気で財源を考えるのならば、軍事費(思いやり予算約2000億円や武器購入費等)と法人税減税(2兆5000万円)見直しに手を付けざるを得ないはずだ。だが今のところそれについて小沢は何も言っていない。私はそこがどうなるのかを見たいと思う。そこに手をつけるようだったら小沢を支持出来る。

 菅直人の政策は見るべきものは何もない。特に、議員定数削減は今迄の誰よりも悪い。
彼は、無駄をなくすという公約の一環として議員定数削減(51億円)を述べているが、財源でいうならば、政党助成金(315億円)を廃止するならはるかに多く支出が削減できる。でもそれはやろうとしない。だから、この政策は財源確保や無駄の排除が目的ではなく少数政党排除と自らの権力維持が目的であることが分る。
 消費税増税は民主党の公約にもなかった菅直人の構想である。この構想は既に批判されているように、法人税の減税とセットになっており、大企業の為の大衆課税といってよい。

 ここで特記しなければならないのはマスコミの対応である。特に朝日新聞はほとんど全紙面をあげて露骨に菅直人を支持している。そのやり方は「小沢がいかに悪者か」という宣伝を全力を挙げて行っている。たとえば党首選挙に小沢が立候補した時に「あいた口がふさがらない」という社説を書いた。続いて「どちらが党首としてふさわしいか」という世論調査の結果を発表した。それによると菅直人が60%を超えており、小沢は20%を切っていた。中でも一番の問題は二人の政策の違いをほとんど報道しないことであった。この傾向は私の見たテレビでも同じである。
 見ない新聞やテレビは知らないが、これはかなり偏向した報道だと私は思う。


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