2011年初頭に思う   2011年元旦

 21世紀に入り10年が過ぎた。20世紀には「21世紀は平和の世紀になるのではないか」とかすかに思っていたが、実際はその反対で「テロとの戦い」という名を冠した新しい形の戦争が起った。

 日本では自民党から民主党への政権交代があり、希望が見えたかに思われたが、残念ながら以前にも増した対米従属と大企業本位の政策が次々に打ち出されている。国民のなかには政治に対する不信感、絶望感がみなぎっているように見える。
 景気や雇用をみても、長期にわたる不景気は続いており、労働者の所得は減り続けている。同じ部落内の親戚が行っている恒例の新年会でも「仕事量は増えているが、給料は減っている」といった発言がいくつか出された。

 世界を見るとアメリカの力が低下し中国やインドの力が大きくなってきていることが分る。アメリカやヨーロッパ、日本の力が衰えて、中国やインドの力が大きくなったのはなぜだろうか。

 直接的には経済の力があるにちがいない。アメリカやヨーロッパの経済成長率は中国にはるかに及ばない。毎年大変な速度で追いつかれつつある。その結果日本はGDPで中国に追い抜かれた。だが、これは驚くにはあたらないことだ。

 かつてソ連は軍事大国でアメリカと軍拡競争をしていた。その出費がかさんでいたにもかかわらず、アフガンに派兵し国力をすり減らした。その結果がソ連解体の大きな原因となった。いま、アメリカは、かつてのソ連と同じようにアフガンに派兵し、軍事力を誇示しているが、そのため国の経済は瀕死の状態である。

 資本は安い賃金や有利な税制を求め、世界中に進出しているが、アメリカ(日本)国内は格差が拡大し貧困層が激増している。

 一方、資本を投下された国は安い労働力を提供?しているが、そのために輸出は増えている。また、労働者は次第に高い技術力を獲得してきた。工業だけではない。日本の農産物を委託生産している中国の農民は、質の良い農産物をつくる技術指導をうけノウハウを獲得している。その結果国民の総合的な力量が向上しているのである。それに伴い賃金も上がっているのは当然だろう。

 日本はどうか。
 根本は経済がうまくいかないためいろいろと狂ってきたように思う。民主党のマニュフェストはとても良かった(国民の生活を守る、日米対等)が、残念ながらそれを実現するだけの財源がなかった。そのため、公約は次々に後退した。そこへ持ってきて、沖縄の基地問題が挫折したので結局は現在のような結果になってしまったのだ。

 財源がないのははじめから分っていた。全くないのではなく軍事予算や法人税の特別減税をなくせば捻出できるのだが、民主党はそこに手をつける気持ちはなかった。事業仕分けだけでは財源的に民主党が行き詰まるのは目に見えていたが、沖縄基地問題が前進したならば或いは行き詰まらなかったかもしれない。だが、鳩山はアメリカに対して自分の主張を展開できる力量がなくあのような無様な結果になってしまった。

 軍事予算や法人税に手をつけず、税収を増やしたり景気を回復する方法はあるのだろうか。


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