「挑発」について    2011年1月10日

 最近「挑発」という言葉を聞くことが多い。

 「北朝鮮が延坪島に攻撃を掛けたので『挑発には断固とした態度をとる』と政府が発表した」とか「尖閣諸島周辺で中国の漁船が挑発行為をした」というように使われている。

 北朝鮮の軍事行動については「挑発」という言葉が繰り返し使われているが、果して北朝鮮の対応は「挑発」といえるだろうか。私には「挑発」しているのは韓国軍・米軍の方ではないかと思われる。

 北朝鮮が一般住民が住んでいる島を砲撃し死者を出したり、被害を与えたことは重大問題で責められるべきだと思うが、そのような攻撃をさせるよう「挑発」したのはむしろ韓国側である。

 すでに報道されているように、北朝鮮と国連軍(アメリカ軍)は現在停戦中であり、最終的な戦争終結には成っていない(韓国は停戦協定にも参加していない)。従って、両者の間には合意している内容と合意していない内容がある。例えば38度線を陸上の停戦ラインとすることは合意しているが、海上の境界線は合意していない。」

 従って、現在はアメリカ・韓国の主張している国境ラインと北朝鮮が主張している国境ラインの二つのラインが存在している。北朝鮮は北のラインの内側はわが領海だと言っており、領海侵犯は許さないと常に警告していた。一方韓国・アメリカは別のラインを境界だと主張していた。今度問題になった延坪島はアメリカ・韓国の主張するラインでは公海であるが、北朝鮮の主張するラインでは北朝鮮の領海内になる。領海内で軍事行動をすることに対しては北朝鮮は何回も警告している。にもかかわらずそこで軍事訓練をするということは挑発行動ではないか、と思うのだ。

 両国の境界線内という意味では38度線をまたぐ緩衝地帯と同じようなものだろう。もし、この中で片方の国が軍事演習をしたとしたら即、戦争になるだろう。

 従って、北朝鮮が延坪島に攻撃を掛けたのは、北朝鮮が韓国に挑発されて攻撃したというのが正確だと思うのだがどうだろうか(ちがっていたら教えていただきたい)。その後の経過をみてもこの構造は変わらず、米韓合同演習が北朝鮮の主張している朝鮮領海内で行われている。(短期間で止めたが)

 私達の社会では弱者は強者とくらべると様々な事で不利な扱いを受けている。それは学校でも同じで、いじめなどはその典型だ。そして、周囲はそれを当然だと思ってしまいがち勝だ。国際関係でも同様のことがあり、北朝鮮問題をみると常に不当な扱いを受けているように見える。

 まず、問題がおこるとその報道はアメリカ発か韓国発の報道で北朝鮮の言い分は全く取り上げられない。時々放送されても、断片で、聞いても内容をつかむことは不可能である。だから、「挑発」という言葉も全く逆の意味になってしまうのだ。私は、少なくとも両者の主張をある程度理解したうえで自分の判断を下す必要があると思うのだが、今のテレビや新聞ではそれが出来ないのが残念だ。


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