原発事故 2    2011年4月6日

 4月4日(月)の朝日新聞「声」欄に以下のような投書が掲載された。

 警鐘無視した甘過ぎる想定  公民館職員 菅原 賢明(新潟県糸魚川市 68歳)

  福島県第一原発の事故は原発を進めてきた国や電力会社にの「想定」がいかに甘かったかを白日のもとにさらした。
 2006年10月の衆議院内閣委員会で吉井英勝議員(共産)が原発で非常用電源が失われた場合を想定し、「機器冷却系が働かないと、崩壊熱の除去ができませんから核燃料棒の焼損の問題が出てくる」と事故を完璧に予見して追及していた(3月26日付朝刊など)。
 吉井氏は昨年5月の経済産業委員会でも電源喪失の問題をただしたが、原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、「そういうことはあり得ないだろうというぐらいまでの安全設計をしている」と述べ、可能性を否定した。これを読めば、今回の事故が「想定外だった」という言い訳は絶対に通るまい。原子力安全・保安院の職務怠慢も甚だしいが、原発の「安全神話」を疑わず、地球温暖化の切り札とうたって推進を後押しした責任はマスコミも負っている。
 少数派の意見は正しくても無視されたり軽視されたりする風潮がある。多数意見や大きな声に流されて本質を見失ってはならないと改めて自戒する。被災地復興を願いながら、事故の教訓を考えたい。
 
 これを読み、すでに国会でも事故の可能性をほぼ完璧に予想して警告していた議員がいることを知った。
 インターネットでは日本共産党福島県委員会が東京電力と福島県に対し質問書を出していたことを知っていたので、共産党がこの問題ではきわめて早い段階からきわめて適切な質問をしていたことを知ることができた。

 福島県知事への申し入れ
中越沖地震から教訓をくみ出した対応を求める申し入れ
                          2007年7月24日

福島県知事
佐藤 雄平 様

日本共産党福島県委員会
委員長 最上 清治
日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子
原発の安全性を求める福島県連絡会
代 表 早川 篤雄

中越沖地震から教訓をくみ出した対応を求める申し入れ
 東電柏崎刈羽原発の中越沖地震への対応は、福島県民に大きな衝撃をもたらしたばかりか、多くの国民にも疑問と不安をもたらしている。東電がこれまでどんな地震にも大丈夫という趣旨の主張を繰り返してきたことと裏腹に、消火活動が出来なかったり、放射能を含む水が海に流出したり、放射性物質が3日間も主排気筒から放出されたり、原子炉建屋などの地震の波形データが大量に失われている。

 そもそも、1995年に阪神淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震の岩盤上の地震動の記録は、日本の原発のなかでもっとも大きい地震に備えるとされる中部電力浜岡原発の設計値を越えていた。このことは1981年に原子力安全委員会が決定した原発の耐震指針の基礎が崩壊したことを示したものであった。

 以来、私たちは、国と電力会社に対して、耐震指針の抜本的見直しと原発の耐震新指針の確立を求めてきた。2006年、原子力安全委員会は「新耐震指針」を決定したが、原子炉を岩盤でなくとも建設できるとか、活断層がない場合の規定が曖昧など大きな後退や問題をもつものであった。

 今回発生の中越沖地震で柏崎刈羽原発を襲った揺れは、設計時の想定を最大3.6倍と大きく上回った。これまで兵庫県南部地震の事実を突きつけられても、原発の耐震性は大丈夫としてきた政府と電力会社の説明は完全に覆されている。以下、福島県の対応を求める。

  1. 県は、中越沖地震から教訓として何を取り入れて対応したのか、また対応しようとしているのか。その上に立って、東電に対して福島原発10基の耐震安全性の総点検を求めること。
  2. 東電は、柏崎刈羽原発の設置許可申請時におこなった海底調査で、今回発生した中越沖地震を引き起こした断層があることをつかんでいたことが判明している。県が把握している、これまで福島原発立地周辺の断層調査の全容と安全審査の対象にしたのはどの断層で、対象からはずしたのは何かを明らかにすること。

  3. 県は、発電所内の自衛消防隊の消火体制について、現状をどのような認識しているのか、同時に、自衛消防隊の確立・強化を求めること。
  4. 福島原発は、チリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。
     柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に抜本的対策をとるよう東電に求めること。
  5. 危機管理体制の再点検を行い、その結果を速やかに公表するよう求めること。
  6. 政府に耐震指針の抜本的見直しを求めること。

以 上

  東京電力対する申し入れ
 
福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ
                          2007年7月24日

東京電力株式会社
取締役社長 勝俣 恒久 様

日本共産党福島県委員会
委員長 最上 清治
日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子
原発の安全性を求める福島県連絡会
代 表 早川 篤雄

福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ
 東電柏崎刈羽原発の中越沖地震への対応は、福島県民に大きな衝撃をもたらしたばかりか、多くの国民にも疑問と不安をもたらしている。東電がこれまでどんな地震にも大丈夫という趣旨の主張を繰り返してきたことと裏腹に、消火活動が出来なかったり、放射能を含む水が海に流出したり、放射性物質が3日間も主排気筒から放出されたり、原子炉建屋などの地震の波形データが大量に失われている。

 そもそも、1995年に阪神淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震の岩盤上の地震動の記録は、日本の原発のなかでもっとも大きい地震に備えるとされる中部電力浜岡原発の設計値を越えていた。このことは1981年に原子力安全委員会が決定した原発の耐震指針の基礎が崩壊したことを示したものであった。

 以来、私たちは、国と電力会社に対して、耐震指針の抜本的見直しと原発の耐震新指針の確立を求めてきた。2006年、原子力安全委員会は「新耐震指針」を決定したが、原子炉を岩盤でなくとも建設できるとか、活断層がない場合の規定が曖昧など大きな後退や問題をもつものであった。

 今回発生の中越沖地震で柏崎刈羽原発を襲った揺れは、設計時の想定を最大3.6倍と大きく上回った。これまで兵庫県南部地震の事実を突きつけられても、原発の耐震性は大丈夫としてきた政府と電力会社の説明は完全に覆されていることを率直に認め、以下の対応を早急に取るよう求める。

  1. 中越沖地震から教訓として何を取り入れて対応したのか、また対応しようとしているのか。その上に立って、福島原発10基の耐震安全性を総点検すること。

  2. 東電は、柏崎刈羽原発の設置許可申請時におこなった海底調査で、今回発生した中越沖地震を引き起こした断層があることをつかんでいたことが判明している。
     これまで福島原発立地周辺の断層調査の全容と安全審査の対象にしたのはどの断層で、対象からはずしたのは何かを明らかにすること。

  3. 発電所内の自衛消防隊の消火体制の確立・強化をはかり万全をはかること。

  4. 福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。
     柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に抜本的対策をとるよう強く求める。

  5. 危機管理体制の再点検を行い、その結果を速やかに公表すること。

以 上


 これに対する回答は国と同じように「安全で問題ない」と言うものだった。

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