私の総選挙総括         2012年12月18日

政党名  小選挙区
 議席数
 議席占有率 得票数(万)  得票率(%)  比例代表
議席数 
 議席
占有率
 得票数 得票率 
自民  237  79.0  5,963  43.0  57  31.7  6,018  27.6
民主  27  9.0  1,360  22.6  30  16.7  963  16.0
維新  14  4.7  695  11.6  40  22.2  1,226  20.3
公明  9  3.0  89  1.5  22  12.2  712  11.8
みんな  4  1.3  281  4.7  14  7.8  525  8.7
未来  2  0.7  299  5.0  7  3.9  342  5.7
共産  0  0  470  7.9  8  4.4  369  6.1
社民  1  0.3  45  0.8  1  0.6  142  2.4
大地  0  0  32  0.5  1  0.6  35  0.6
国民新  1  0.3  12  0.2  0  0  7  0.1
無所属  5  1.7  101  1.7  0  0  0  0
合計  300   100    100  180  100    100

私の予想が大きく外れたのは「未来の党」である。議席が減るとは思ったが、30議席ぐらいは取るだろうと思っていた。だが、結果は10議席だった。民主党は激減するとは思ったが、これほどとは思わなかった。社民党も2議席になり消滅に近くなった。共産党はこれらの党と比べるとまあよくやったと思う。だが、議席倍増という目標から見れば大敗北だ。未来の党を除けばほぼ選挙前に私が予想した通りになったが、冷静に見れば右翼政党が躍進したのが今回の特徴で極めて危険な状況が出現した。

選挙結果についての共産党の声明とそれに対する私の意見

声明に書かれた選挙結果の評価は
@ 今回の自民党の勝利は民主党への国民の怒りの結果であり自民党が評価されたのではない。A 自民党は国民の願いに何ら解決の見通しを持っていない。国民の願いを解決するのは共産党 が示してきた改革ヴィジョンである。
B 崩壊的危機にある自民党に勝てなかったのは党の自力の問題にあった。
C 自民党型の政治は行き詰まっており、新しい政治を求める模索の過程が現れているので、強 大な日本共産党の建設が不可欠だ。全党の知恵と力をふりしぼってこの仕事にとりかかることを呼びかける。というものであるが、

私は以下のように考える

@ 今回の選挙をみると、民主党へ投票した票が大幅に離れ、一部は棄権し、一部は維新の 会へと向かった。自民・維新両党の極めて大きな特徴は、超右翼的な公約をした点にあり、両党の議席合計は348議席、比例区の比率で48%になる。

A 自民党の票も前回に及ばなかったように、決して大きく支持されたわけではないが、維 新と合わせて右翼が相対的に支持を伸ばしたことは疑いない。これと比べ護憲、反原発、
消費税反対勢力は支持を減らし、棄権が増えた。「新しい政治を求める模索の過程」と言
っているがあまりにも抽象的で具体性がない。それどころか、「新しい政治を求めた有権
者」が維新の会や安倍自民党を選択したのである。

B 今回の選挙に際し共産党は課題とされ続けてきた党の力をつけるため一昨年7月に第3 回中央委員会総会を開き、党員拡大を中心にした党勢拡大運動に取り組んだ。その成果を
持って得票目標650万票と議席倍増を目指し取り組んだ。

C だが、共産党票は激減した(前回衆議選比)。その理由は「党の力不足」だけではなく 、日常の活動スタイルや選挙方針にも問題があったと思う。たとえば、大衆活動や文化活動への力の入れ方は選挙活動と比べて極端に少なかったと思うし、選挙方針でも他党との選挙協力をせず、すべての選挙区から立候補したことは、護憲勢力の力を結集して改憲勢力に立ち向かおうとする人にとっては理解できない行動であった。

D 安倍自民党政権は今後、長期的には憲法改正に向けての施策、短期的には次期参議選に向けての政策を打ち出すに違いない。したがって、今後我々が力を振り絞って行わなければ ならないのは、憲法改悪に向けた安倍政権の企みを明らかにし、次期参議選で改憲勢力の三分の二取得を防ぐこと(護憲派による41議席以上の獲得)である。そのためには参議選を視野に入れながら、いかに幅広い勢力と手を組むか、ということが大切だと思う。

E 声明全体を通して今回の選挙結果に対しての共産党中央の危機感のなさと事態をリアル に直視しようとしない知的怠慢を強く感じた。このままでは憲法が危ないだけでなく共産党自身も危ない。

選挙戦の評価について

@ 得票目標650万票、議席倍増(18議席)を目標にしたことが果たして妥当だったのだろうか。今までの総選挙の結果や党の実力から見て、議席目標の2倍化はあまりにも飛躍しすぎていた。

A 目標に照らしての得票数、議席数の評価が全く書かれていない。代わって書かれているのは、前回の参議選と今回の衆議選を比較して票と率が若干増えたことである。得票・率ともに激減した前回の参議選と比較して「一歩ではありますが、前進への足がかりをつかんだ」などと評価したことは敗北から目をそらすものである。ちなみに前回の総選挙と比較すれば、比例区得票数494万票:369万票、同得票率7.03%:6.13%と激減している。また小選挙区についても「全区立候補に挑戦し、選挙区選挙で470万票(7.89%)を獲得したことも、積極的意義をもつものでした」とありますが、果たしてそうだろうか。

B 結果の評価について「この結果は、34ヶ月の民主党政権の失政への国民の怒りがもたらしたものであり、自民党の首脳自身が認めているように、自民党への国民的期待が広がった結果とはいえません」「最大の重点とされたデフレ・不況対策にしても、これをそのまま実行しようとすれば、矛盾と危機は一層深刻にならざるを得ないでしょう。憲法改定を公然と掲げる自民党政権が生まれることは極めて危険な動きですが、この道を強行しようとすれば、平和を願う広範な國民世論、アジア諸国民の世論と激しい矛盾を引き起こさざるを得ないでしょう」と書かれている。そして、「どの問題についても、その帰趨をきめるのは、これからの国民のたたかいです」とあるが、今回の選挙結果の最も大きな特徴は、自民党が過半数を上回る議席を獲得したことであり、改憲を主張している維新の会を含めるならば憲法改訂の発議ができる3分の2を超える348議席になったことである。今年の参議選で自民党が過半数の議席を獲得すればおそらく安倍首相は憲法改定に向かうだろう。

今回の選挙結果の評価にこのことが何一つ書かれていないのはどうしてなのか。

C 共産党が激減した理由は「党の力」もあるが、それだけではなく、活動方針・スタイルにも問題があったのではないか。たとえば、選挙に使うエネルギーと大衆活動や文化活動に割くエネルギーの量の違いは大きいし、他党との選挙協力をせず、すべての選挙区から立候補したことは、護憲勢力の力を結集して改憲勢力と対抗する必要を主張する人にとっては理解できないものであったように思う。2009年の総選挙の際、共産党が小選挙区の立候補をいくつかの選挙区で見送ったことが、結果として自民党と競り合っていた民主党を後押しして当選させたことは知られている。つまり、共産党の方針次第では議席の変動に関わってくるし、それは次の国会運営や大衆活動にも関わってくるに違いないのである。

今後の課題について

 声明では今後の課題について次のように述べている「現状を大局的な視野で見れば、60間続いた自民党型政治がいよいよ行き詰まり、日本が新しい政治を求める、新しい時代に入っていることは疑いありません。新しい政治を求める国民の探求も、さまざまな政治的経験を積み重ねるなかで、発展しています」とあり、最終的には「政治を変えるためには、国民と深く結びつき、日本の前途について展望を示す力をもった、強大な日本共産党の建設が不可避です。来るべき東京都議会議員選挙、参議院選挙での躍進をめざして、全党の知恵と力を総結集して、この仕事にとりかかることを、心からよびかけるものです」

 ここでの結論は「政治を変えるためには、国民と深く結びつき、日本の前途について展望を示す力をもった、強大な日本共産党の建設が不可避です」とあるだけで、安倍政権が何を狙っているのか、それを防ぐには何が必要なのかについては書かれていない。

 私は先にも書いたが、「安倍自民党政権は今後、長期的には憲法改正に向けての施策、短期的には次期参議選に向けての政策を打ち出すに違いない」と思っている。したがって「今後我々が力を振り絞って行わなければならないのは、憲法改悪に向けた安倍政権の企みを明らかにし、今年の参議選で改憲勢力の過半数取得を防ぐことである」と考えている。そのためには参議選を視野に入れ、幅広い組織や人々と共同していくことが必要不可欠である。強大な党建設もその流れの中で考えて行くことが必要なのだと思うがどうだろうか。   


BACK NEXT 通信一覧