地方選挙での共産党の躍進と神奈川・大阪補選    20061102

1、昨年の総選挙後初の補選の結果とそれに対する疑問

神奈川6区と大阪9区の補選があった。選挙の結果は下表の通りである

神奈川6

大阪9

自民党

民主党

共産党

自民党

民主党

共産党

2000

99,966

53,262

21,562

65,469

82,563

38,262

2003

125,067

82,967

17,877

93,662

57,572

21,491

2005

159,268

87,991

21,504

142,243

111,809

27,347

2006

109,464

80,450

9,862

111,226

92,424

17,774

一見してわかることは、共産党の票が前回までと比べ異常に少ないことである。神奈川・大阪ともに1万票減らしている。減らす以前の票そのものが激減した後のものだから今回の票はどう見ても異常である。

神奈川は前回の半分にも満たないし、大阪も三分の二に満たない票である。いったいどうしてこのようなことになったのだろうか。

@     選挙のパターンは一議席を争うもので、これは前回・前々回も同じである。

A  今回の参議選にたいする共産党の力の入れ具合は決して手抜きしたものではなかった。

B   つい先ごろ東大阪市では共産党員の市長が誕生し、市会議員も前進した。補選と同じ  日に行われた大山崎町長選では共産党が推した町長が当選し、議員も前進した。このよ うに、地方議員や地方首長選挙では共産党が善戦している。

C     にもかかわらず、このような結果になった原因は何か?


日本共産党の市田忠義書記局長は二十二日、衆院神奈川16区、大阪9区補欠選挙の結果について、次のコメントを発表しました。

 安倍内閣のもとで最初の国政選挙としてたたかわれた二つの衆議院補欠選挙で、日本共産党の笠木隆候補(神奈川16区)、藤木邦顕候補(大阪9区)にご支持いただいた有権者のみなさん、ご奮闘いただいたみなさんに心から感謝します。

 わが党は、格差社会を正す、憲法と平和を守る、教育基本法と子どもを守る問題など、どの問題でも「たしかな野党」として自民党政治をおおもとから変える政策を真正面から訴えて選挙戦をたたかいました。今回の論戦は、これからの臨時国会のなかでも生きて、ますます重要になってくるものと確信します。公約実現のため、全力をつくすとともに、来るべきいっせい地方選挙、参議院選挙での躍進のため、いっそう奮闘する決意です。

共産党はこの結果についてコメントを出しているが、これでは上記の疑問は解明されない。

2、地方議員選挙と参議選の矛盾した結果をどうとらえるか

 小泉改革の結果、所得格差が拡大し、弱者にとって住みにくい社会が生まれたことに対する不満・不安が広がっている。医療費の増大、障害者自立支援法に見られる障害者への支援削戸障害者支援施設の経営圧迫、老年者控除廃止、年金控除の縮小、定率減税縮小など数えればきりがない。これらの負担増がボディーブローのように庶民の生活に影響するようになって来た。地方議員は身近なせいもあり、生活の実感は直接的に反映されるので、これと正面から闘っている共産党が一定の前進したのはよく理解できる。

補選の結果を見ると、与党と野党の得票率の差は前回、前々回より狭まっている。それを見ると、地方議会選挙結果と同じ傾向が神奈川や大阪にも見られたのだと考えられる。もしもこのような庶民の願いが補選にストレートに反映するとしたら、共産党の得票はもっと増えたはずだ。ところがそうならなかった。

野党の得票率が上がり、地方議会選挙で共産党が健闘しているにもかかわらず、二つの補選で共産党票が激減している理由を私は以下のように考える。

前回まで共産党に投票していた人のかなりの部分は、小選挙区制度のもとで当選の見込みのない投票を棄権したり、当選の可能性のある民主党に投票した。

自民党政治に怒りをもっている人ほどそのような選択をした可能性が大きいだろう。前回の選挙、前々回の選挙でも自民党に対する怒りはあったかもしれないが、いよいよ小泉政治の影響が自分に降りかかってくると、何としてでも自民党政治を倒したいと言う願いが強くなるのは当然である。そこで、共産党より勝つ可能性が大きい民主党に票が流れたのだろう。民主党が自民党とあまり変わらないことは国民の多くは知っている。それでも自民党よりはましなのではないかと言う期待があり、投票したのだ。

 私はこの傾向は今後も続くような気がするが、皆様はどうお考えだろうか。


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