九州旅行 4  ー小鹿田焼と日田温泉ー        2006年3月7日

 3月1日指宿から電車で久留米に向かいました。指宿から鹿児島まで出て、鹿児島から新幹線で久留米に向かいます。ちょうど今、新幹線の工事をしており鹿児島ー八代間は新幹線が開通していました。同じ新幹線でも長野新幹線と違い背もたれは木で出来ていました。
 久留米からは乗り換えて日田に向かいました。特急に乗ったのですが、あまり速くありません。止まる駅も安茂里駅ぐらいのところもあります。今まで忙しかっただけにのんびりとして人間に帰ったようでした。
日田からはレンタカーを借りて小鹿田に向かいました。小雨が降っており肌寒い中を40分ほど走って小鹿田の里に着きました。
 小鹿田には10軒ほどの窯元がほとんど同じデザインの日用雑器を作っていました。どの家にも水車が回っており陶土を砕く杵の音がコットンコットンと響いています。

 ◆ 290余年の技法をそのまま伝える民陶の里、小鹿田(おんた)焼き皿山地区
290余年の技法をそのまま伝える民陶の里、小鹿田(おんた)焼き皿山地区

 小雨が降っており、肌寒かったのですが、何軒かを回り見学しました。
 庭には何層かの水槽があり、中年過ぎのおばさんがその水をひしゃくでかい出していました。「何をしているのですか」と質問したら、「この水の下には泥が入っています。水をかい出して泥を出し、次の水槽に移すんです。そうすると泥は漉されてきめ細かになるから陶土として使えるのです」とのことでした。隣のうちの庭でも同じくらいの年配のおばさんが盛んに水をくみ出していました。水槽の水をかい出して泥を移したら今度は庭の奥のほうから土を一輪車で運んできて空になった水槽に入れます。しばらく見ていましたが大変な重労働です。おばさんたちはこの作業を毎日毎日繰り返すのだそうです。
 長時間見学したので身体はすっかり冷えてしまいましたので、展示室の中に入り買うものを物色しました。小皿・小鉢・中皿などを選び、送ってもらう約束をして次の窯元に移りました。

◆ 谷川の水を利用した唐臼(からうす)がたくさんある
小鹿田焼には谷川の水を利用した唐臼(からうす)がたくさんある
◆ 唐津焼きや高取焼き小石原焼きの影響をうけている
小鹿田焼は唐津焼きや高取焼き、小石原焼きの影響をうけている
 
 窯元を回って気がついたのは、この小鹿田は他の多くの窯元と違って、どの家もほとんど同じデザインの雑器を作っていることでした。栃木の益子でも沖縄の読谷やでも窯元は自分のオリジナリティーを競い合い目新しいデザインの作品を飾っていたのですが、小鹿田はどの家に行っても展示室の器はほとんど同じでした。
 値段は小皿が350円ぐらい、中皿が1000円〜3000円ぐらい(右下の写真で立てかけてある皿が3000円)大皿・鉢・壷(右上写真)などが5000円〜数万円ぐらいでした。食堂で使うコーヒーカップを買おうかとも思いましたが、当館の雰囲気とは相性がよくないように思い、自宅で使うものだけにしました。

 鹿児島で過ごした前日が大変暑かったので薄着をしていたせいもあって、途中から冷えてしまい限界になったので、小鹿田の里から日田温泉に戻りました。

 日田に戻り、宿泊する旅館を見つけ、レンタカーを返してから、まちを歩きました。この街も古い街で大変趣のある通りがありました。確か小鹿田古陶美術館があるはずだと思いさがしたところ、旅館から遠くない場所にあったので、閉館ぎりぎりに飛び込みました。

 これが当館と大変良く似た美術館でした。中の展示物はもちろん違いますが、館長さんが一人で券を売ったり説明したりするところは私と同じでしたし、展示作品に対する思いの深さも共通していました。話しているうちに次第に親しみがわいてきてゆっくりと説明をしてもらうことになりました。

1階展示室


久留米絣


 現在の小鹿田焼は「飛び鉋」模様で有名ですが、小鹿田古陶館に飾られているのはもっとさまざまな模様の雑器でした。壷、茶碗、皿、徳利、土瓶、醤油壷、火鉢、茶壷、湯たんぽなどがありました。模様も上から彩を流したようなものもあり、これだけを見せられても「小鹿田」とはわかりません。大変珍しかったのは、蓋つきの大甕で、蓋が焼き物でまるで王様が兜をかぶったような格好に出来ているものでした。
 2階には久留米絣が展示されており、これも興味深く見学しました。うちで織物をしているせいもあり、絣には特別の思いもありました。

 小鹿田古陶館の作品は現在の館長さんのお父さんが集めたものを展示したのが始まりだったそうで、当時は新築したお百姓の家を回って、古い焼き物を買ったりもらったりしたということでした。高い値段をつけると売りたくなくなるらしくて、焼き物ブームが起こってからはなかなか集まらないそうです。一つ一つの作品にそれぞれ思い出があるので、館長さんは立ち止まっては丁寧に説明してくれました。5時が閉館時間だったのですが、入館した時はすでに5時を回っていましたが、既に6時はとっくに過ぎて7時近くになってしまいましたので、宿に帰りました。こんなところは当館と大変似ているところでした。
 小さな美術館で展示作品も決して多いとは言えませんでしたが、感じが良くて再訪したいところでした。

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