九州旅行 5  −臼杵市 小手川商店・野上弥生子文学記念館ー  3月15日

 日田を出て臼杵市に向かう途中湯布院を通過しました。湯布院は今、NHKの朝ドラマでやっている「風のハルカ」の舞台になっているところです。電車の窓から見た湯布院はただの小さな町でした。当たり前です。大分から乗り換えて間もなく臼杵市に着きました。

 臼杵市に来た目的は二つありました。一つは降幡廣信さんが関わって古民家を再生した小手川家とその近辺の街づくりを見ることで、二つは野上弥生子文学記念館を見学することです。

 今更新しく家を作る気もない私が、なぜ古民家や街づくりに興味を持ったのかといいますと、今から二十五年前、現在すんでいる家を建てるとき、古い家を活かそうかと思ったことがありました。そのとき、住宅雑誌を何種類か買ってきて調べました。その中の一冊に降幡廣信さんの「民家の再生」のことが載っており、これに惹かれました。効率の問題や費用の問題もあり、結局は今の家を建てたのですが、古民家の再生には今も強く惹かれています。それは古民家の美しさに魅力をかんじているからかもしれません。

 出発する前に降幡廣信さんの書いた「民家の再生」という本を再読し、最近出版された「古民家再生ものがたり」も読んでみました。そこに登場している小手川映子さんの文章に引かれ、見学したい旨の手紙を送ったところ、返事が来てお会いできることになりました。降幡設計事務所に問い合わせてみたら、臼杵市には現在も関わっており二十年来のお付き合いをしているとのことでした。仕事の数もかなりあり、現在も仕事をしているとのことでした。これには驚きました。

 臼杵駅前は殺風景でしたが、しばらく歩くと懐かしい街が現れました。私の少年時代の県町のような街並みが続いています。狭い道路の両側に田舎くさいお店が続いています。き々昔ながらの建物をそのままリニューアルした食堂もありました。車はあまり走っていませんでしたが、時々出会うトラックは二車線が精一杯の道路をゆっくりと走っています。

 20分ほど歩き、目指す小手川商店につきました。観光案内の本によるとこのお店は食堂でもあり、おいしい味噌御膳を食べられると書いてあったので、楽しみにしていたのですが、食堂とは名ばかりで店の端にテーブルがあり、そこで食べるように見えました。注文しようとすると、店員さんから「田島様でしょうか」と声をかけられました。それから食事の注文をしていると、「こちらへどうぞ」と奥の立派な部屋に案内されました。部屋に入るなり、その部屋が「民家の再生」に載っていた部屋であることに気がつきました。


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