柄澤齊展ー宙空の輪舞(ロンド)ーを観る      7月15日(日)

 栃木県立美術館で柄澤齊展が始まるに際し、開会セレモニーとオープニングパーティーの案内が届きました。どうしようか迷いましたが、小口一郎の作品を収蔵している大日山美術館のある小山市の近くなので、行くことにしました。

 柄澤さんの作品は初期から親しんできましたから、およその見当はついていましたが、全体像を見たことはありませんでしたので、興味がありました。作品を見た感想を一言で言いますと「予想よりはるかにすごい作品群」でした。

 作品展の構成は7部構成になっていました。

第1章、木口木版画(初期作品、肖像シリーズ、死と変容シリーズ、近作版画)
第2章、コラージュ、モノタイプ
第3章、リーヴル・オブジェ
第4章、水彩、素描(細密画)
第5章、墨の作品
第6章、装丁・挿画・挿絵
第7章、公開制作・ワークショップ

 当館にある作品は肖像シリーズ全点・水墨画1点と挿画本ですから、柄澤作品のほんの一部ですが、私は柄澤さんの作品カタログなどを注意してみていたので、個々の仕事についてはおよそ理解していたつもりです。個々の作品を知っていると言うことと、全体を見るということは全然違うのですね。今回の展示をみてそのことを実感しました。

    肖像 ランボー   肖像 ボードレール  肖像 ラファエルロ       肖像 カフカ


 木口木版画について
 このシリーズについては私も何回も見ていましたし、一部は買ってもいましたので大体は想像通りでしたが、「死と変容」シリーズについては私の思い込みとはかなり違っていました。発表当時私はこのシリーズには全く魅力を感じませんでした。「肖像」シリーズがバライティーに冨み、実に多様なイメージを羽ばたかせてくれたのに対し「死と変容」シリーズは「死」というイメージの追求に集約されていることに堅苦しさを感じました。また、私自身「死」を遠い存在と感じていたこともあったと思います。
 ところが、今回改めて全作品を観ますと、大変面白いということに気がつきました。バライティーに冨み、想像の先が意外であり考えさせられました。何よりも作品として大変完成度が高いと思いました。

 カタログを見たときは魅力を感じなかった「方丈記」のシリーズが大変魅力的でした。木口凹版で描き出された抽象画は実に美しく、静謐でした。

 この展覧会は栃木県立美術館と神奈川近代美術館で行われます。
 企画の中心になっているのは栃木県立美術館の学芸員である  さんのようです。案内パンフレットやカタログの最初に書いているのが彼女です。