県職労「組合員意識調査」を読んで    9月10日

 2005年末長野県職員労働組合(県職労)が組合員の意識調査を行いました。恐らく今年行われた県知事選挙を考慮に入れ、タイミングを合わせて行った調査だと思いますが、その結果が公表されています。私も読ませてもらいましたが、田中知事の評価だけでなく、労働組合のあり方や政党のあり方なども含め大変考えさせられました。

調査は膨大なものでそのすべてについて触れることはできませんが、組合についての意識と政党についての意識について気づいたことを書いてみます。

調査目的
 バブル経済崩壊後の厳しい変化の中で県組織の再編や人事評価制度導入などの労働環境の大きな変 化のなかにおける県職労のあり方、課題を探りたい

調査の概要
1、調査対象 全組合員 6840人
2、調査方法 各支部単位で配布・回収
3、調査時期 2005年11月18日〜12月9日

回収結果
1、有効回収数   5133(75,0) 
 男子 3783人
 女性  1350人
2,年齢構成
20以下 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜55 55以上 不明 合計
9 115 300 612 902 1042 818 733 598 4 5133

1、生活の満足度
あなたは現在の生活に満足していますか
勤 続 年 数
満足度 人数 割合 3〜4 5〜9 10〜14 15〜19 20〜24 25〜29
30〜
非常に満足している 70 1,4% 1,6% 3,0% 2,0% 1,1% 0,8% 0,5% 1,1%
 まあ満足している 1816 35,4% 37,4 41,3 39,3 35,1 34,0 29,4 31,5
 どちらともいえない 1432 27,9% 37,9 28,5 29,6 28,8 24,5 29,0 26,5
 やや不満だ  1201 23,4% 17,9 19,1 19,4 23,1 26,8 27,6 25,3
 大いに不満がある 594 11,6% 5,3 7,5 9,5 11,6 13,1 13,1 15,2
 不明 20 0,4% - 0,6 0,2 0,3 0,8 0,4 0,4

年齢が上がるに従って不満度が上昇しています。勤続15年以上になると一気に不満度が膨らみますが、別項目の調査で、この年代から教育費がぐっと増えています。住宅費と教育費の負担が大きくなり、生活が苦しくなっていることがわかります。前回の調査と比べてみなければわかりませんが、最近の特徴が反映しているのではないかと思います。

2、あなたは県職労、自治労、連合の運動についてどうお考えですか
県職労 自治労 連合
かなり役立っている 305 5,9% 125 2,4% 58 1,1%
 ある程度役立っている 2112 41,1% 1437 28.0% 836 16,3%
 あまり役立っていない 1631 31,8% 1801 35,1% 1695 33,0%
 全く役立っていない 511 10,0% 845 16,5% 1304 25,4%
 わからない 527 10,3% 878 17,1% 1192 23,2%
 不明 47 0,9% 47 0,9% 48 0,9%

大変考えされられる結果です。@役立っているとかなり役立っているの合計がいずれも50%に満ちていません。この結果を見ると組合の組織率が落ちていることが当然のように思えます。A上部組織になるほど必要度は下がっています。自治労が30%、連合にいたっては20%以下です。これでは「連合はいらないよ」と言っているようなものです。


3,あなたは、労働組合と政党との関係についてどうお考えですか。

政党との関係 全体
特定の政党と恒常的に支持・協力関係を持つのではなく、そのつど(課題ごとに、又は選挙のつど)各党や議員(候補者)と話し合い、組合の要求実現に協力してくれる党や候補者と協力したり応援したりするのが良い。 248 48,3
労働組合として、要求を実現するために、考えがもっとも近い政党と日常的に支持・協力関係を維持・強化し、選挙でもその政党と候補者を応援するのは当然、かつ必要なことだ。 1021 19,9
労働組合はいかなる政党や議員(候補者)とも指示・協力関係を持つべきではない。 668 13,0
なんともいえない、又はわからない。 885 17,2
不明 78 1,5

男性% 女性% 20未満 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜55 55以上 不明
51,9 38,3 22,2 28,7 35,0 41,6 50,8 50,5 52,4 48,0 50,2 75,0
22,5 12,6 11,1 7,8 11,7 14,1 14,4 19,5 23,2 26,7 28,4 25,0
13,6 11,3 11,1 8,7 16,0 17,3 15,1 12,0 12,6 11,5 9,2
10,8 35,3 55,6 53,9 36,7 22,4 18,3 16,3 10,4 12,4 10,0
1,2 2,4 0,9 0,7 1,6 1,4 1,7 1,3 1,4 2,2

・政党との関係は男性と女性とで大きな違いがあります。男性は政党との関係を重視しているのに対し、女性は政党との関係を重視していないように見えます。20%もの差があることは注目に値します。
・年代が下がるにつれて政治への関心が薄くなっています。
・若年層(20代)と女性は「わからない」がぐっと増えていますが、これは政治に対する無関心層と考えられます。あるいは、自分の問題が政党では解決できないと考えているのかもしれません。

3、あなたの支持する政党は何ですか。
政党 人数 男性 女性 20未満 20〜
24
25〜
29
30〜
34
35〜
39
40〜
44

45〜
49
50〜
54
55
以上
民主党 824 16,1 18,1 10,2 11,1 10,4 8,7 10,9 14,9 15,8 16,6 20,7 21,9
自民党 603 11,7 12,7 9,0 33,3 17,4 16,3 12,1 12,9 12,0 10,6 10,0 9,2
社民党 417 8,1 8,6 6,7 4,3 5,0 4,9 5,8 7,0 9,0 11,7 13,7
共産党 209 4,1 3,9 4,6 1,3 2,5 3,8 2,7 4,0 5,0 3,8 6,3
公明党 50 1,0 3,8
国民新党 19 0,4
新党日本 9 0,2
その他の政党 5 0,1
支持政党なし 2834 55,2 52,
63,4
55,6 63,5 63,3 62,9 58,6 56,3 53,8 49,4 43,5
不明 163 3,2

・50歳以下は支持政党なしが過半数を占めています。
・35歳以下で最も多くの組合員に支持されているのは自民党です。
・民主、社民、共産党支持者は年代が若くなると支持者が減っています。
 (55歳以上と25歳以下を比べると民主党二分の一、社民党三分の一、共産党五分の一です)

以上、県職労の調査の一部を抜粋してみたものですが、この調査結果をみて私は愕然としました。

1、組合や政党に対する女性と若者の関心が極めて薄くなっていました。この傾向は県職労の調査だから低くなっていると言うより、すべての労働者が同じ傾向をしめしているように推察できます。

2、特に危機感を持ったのは政党に対する意識です。なんと、ほとんどの世代の組合員は、過半数が支持政党なしです。

3、その中で35歳以下の組合員は自民党支持が最も多いことには驚きました。反対に、共産党、社民党の支持者は極少数です。特に共産党支持者は日本全体の有権者平均より低い支持率でした。恐らくこの人たちがそのまま時間を経過すると、労働者の中で共産党や社民党の支持者は限りなくゼロに近づいていくでしょう。

4、これが、特別の組合の傾向であり、他の組織なら別の傾向になるかと言うと、多少の違いはあるでしょうが、恐らく似たような結果が出るのではないでしょうか。

5、若者の組合意識や政治意識の問題点は山のようにあるに違いないのですが、でも、これが現実であるとするならば、政党や組合はこの現実にどのように切り込むかを考える必要があります。なぜかくも無残な結果になっているのかは至急分析しなければなりません。

6、でなければ、組合や革新政党は間もなく消滅に近い存在になることすら考えられます。少なくとも影響力が行使できなくなることは明らかです。


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