大西暢夫写真展「ひとりひとりの人」 
 
      9月5日
ー僕が撮った精神科病棟ー     

今月の16日(土)から大西暢夫さんの写真展をすることにしました。
大西暢夫さんの写真展は今回が2回目です。1回目は岐阜県旧徳山村に住むじいちゃん、ばあちゃんを撮った「おばあちゃんは木になった」の展覧会のときでした。あのときの大西さんの人間性に惚れて、今回再度大西暢夫さんの写真展をやることにしました。
今回のテーマは「ひとりひとりの人」という題で大西さんが精神科病棟を撮影した写真です。


精神障害者に対する偏見は現在は少なくなったとは言うもののまだまだ残っています。しかし、この写真集に登場する人は誰もが明るくのびのびと生活しているように見えます。あるいは大西さんに対する信頼感が彼等の表情を明るくさせているのかもしれません。
この写真を見た人が、精神障害者に対する偏見をなくしたり、元気をもらえることができればこんなうれしいことはありません。
会期中9月24日(日)午後2:00〜大西暢夫さんを迎えてギャラリートークを行います。障害を持つ人やその家族だけでなく、健常者の参加と発言も大歓迎です。
当日夕方7:00〜は大西さんの話をメインにした講座もありますのでご参加ください。
10月1日(日) 午後1:00〜 デジカメ講座を行います。講師は大西暢夫さんです。この日撮った写真で「隣の人」を10月12日〜22日まで美術館で展示します。
写真集「ひとりひとりの人」について

写真が伝える精神病院の患者さんの生活・特技・ユーモア、そして願い。かけがえのないひとりひとりの人とカメラマンとの豊かな出会いが広がる。

僕はそれまで精神障害についての知識はまったくありませんでした。むしろ偏見をもっていたほうかもしれません。だから病院内は僕にとって新鮮なものに映りました。患者さんたちとの壁はあんがい薄く、彼らがすんなり人と話すことができる気安さにまず驚きました。  この人たちは病院に来る前は何をしていたのだろうか。僕の興味は病気の状態でも精神病院のあり方でもありませんでした。目の前にいる“人たち”でした。  彼らは僕という初めての珍しい客に興味を示しいろいろ聞いてくるのです。意気投合してくると本当に病気なんですか? って疑ってしまうほど普通の人に見えてくるのです。100人いたら100通り。だから普通ってどこに一線をおいていいのかわからないのです。  どんな理屈を述べるよりもこの写真に写っている患者さんたちの顔を見てください。おもしろく写っているものは笑ってください。それでいいと僕は思っています。みんなひとりひとりいい顔をもっていますから。それを隠すことはだれにもできません。大西 暢夫

「ひとりひとりの人」推薦文より

30〜40年前なら考えられない本が、この度、出版された。精神科病院に対する暗いイメージとあいまって、当時、写真集なぞは考えられなかった。  しかし、現在の多くの精神科病院の雰囲気は一変した。無論、薬物療法の進歩をはじめ病棟環境の改善もあろうが、この写真集を見ていると、どうもそれだけではないように思われる。なかには当院のように、アメニティの悪い病院の中で患者様たちが生き生きとした表情で写っている。しかも、本人の同意を得て何ら隠すことなくありのままに写っているのが、きわめて感動的である。  このような写真集が可能になったのは、なぜであろうか。私には2つのことが頭に浮かぶ。1つは精神科看護者の多大な努力により、病院内における患者様の人権尊重と自立援助への大きな流れであろう。今1つは病院はあくまでも短期入院の場所であり、決して家庭や地域社会から隔絶されたものではなくなってきている。これらが今の入院患者様たちに安心感と明るさを与えているのではなかろうか。  しかし、現在の社会状況は、いわゆる「正常者」の悲惨な事件が多発している。病棟内でのこの明るさをもって社会で生活していくには、きわめて困難な時代であろう。どうか、この写真集が広く読まれ、地域で彼らが安心して社会生活を送れるよう、多くの方々が温かい手を差しのべられんことを切に期待する。
(谷野 亮爾/谷野呉山病院院長・日本精神科病院協会副会長)

お誘いあわせてお出かけください。


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